ゆっくり、唇を離すと、今度は葵からキスされた。
そのキスは今までより、ちょっと大人なキスで……
あたしの口を割って、葵の温かい舌が侵入してきた。

「んっ………ふっ……あっ…」

今までにないような深くて、甘い最高のキスをくれた。

やっぱり、葵がくれるキスはすごく、大人であたしにはもったいないくらい。

葵のキスは最高で、あたしがあたしじゃなくなっちゃうくらい溶けるような、そんな感じ。

「お前……可愛すぎ。マジで襲うよ?」

襲う………。葵とならできるよきっと。
だって、あたしの大好きで大切な彼氏だから。

「葵に襲われるなら………いいもん……あたしにとって特別な人…だから。」

勇気を振り絞って、出てきた言葉。
どう、伝わったかな?


「本気で言ってんのか?」

「……うん、本気……。」

そう言うと、あたしの体をドサッとベッドに倒した。

「もう、逃がさねぇよ……」
葵のこんな顔、初めて見たかも。

葵はあたしの唇に角度を変えながらキスする。

何度も何度も……
葵の体から、大人な男性って感じの甘いけどきつすぎない香水のいい匂いがあたしの体を包む。

ちょっとびっくりして、あたしは目をギュッとつむってしまった。

「怖いか?……」
「……はぁ……だいじょうぶ……。」

声が続かない。

すると、葵は乱れたシャツを直しながら起き上がった。
どう……したのかな?

「やっぱ、怖いんじゃん。無理すんなよ、俺はいくらだって我慢出来っから。
お前に合わせるよ。ただ、その代わり……。」

葵はあたしの首元に顔をうずめて、軽く吸った。

チクンッ。
首元に小さな痛みが走る。

葵があたしの首元から唇を離し、軽く触った。

「他の奴がお前に近づいてこないように。俺のだって印だよ。」

印……キスマークだ。

前にも、一回付けられた気がする。
でも、今回のは結構、濃く付けたみたい。

あたしも、葵に付けたい……な。

「……ねぇ、あたしも葵に印つけちゃダメ?」
「付けられるか?結構、大変だぞ?付けられんならどうぞ。
あっ、でもあんまりばれないようなとこでよろしく。衣装とかきた時に見えると、まずいじゃん。」

言われてみればそうだよね。
衣装で見えたりすると、マズイか。
あたしは、何とか隠せるかもだけど。

「……うん、分かった。どこならいい?」

「う~ん……じゃあ、腹のとこ。」
そう言って、脇腹に近い場所を指差した。

あたしは軽く頷いて、葵の指差した場所に顔を近づける。

軽く吸うと、印をつけることが出来た。

「これでお互いの印だな。あっ、消えたら言えよ?そん時はマジで襲うから。」

「……うん。大好き、葵。」

最後にギュッと抱きついて、そのまま眠ってしまった。