そして、今はさっきの店から急いで出て、一階のフロアにいる。

あたし、強制的に連れてこられたってわけで……

も~ぅ、どうしてこうなるの?

誰か助けて………!!

「キャァァァァァー!」
葵たちのステージがスタート。

ファンの皆さんの目がハートでキラキラしちゃってる。

しかも、ももちゃんまで。

ももちゃんは、本当に人気女優なんでしょうか?

あたしと葵はあれから、うまくやっていけるようになってきて、一応安心ってところで。

世間からも悪い目では見られてないから、これからもうまくやっていけるよねって、

葵が歌う姿見ながらそう思っている自分がいる。

そんなことを考えながら、葵たちのステージを眺めていると、

「ねぇねぇ!!前いかない!?」

ちょっと、ももちゃん!?

それはヤバイかと………

「ダーメだって~!!そんなことしたら思いっきりバレるよ~!!!!」

「ま、そん時はドンマイってことで、行こ行こ!」

そう言って、グイグイあたしの腕を引っ張って、前へ出るももちゃん。

この方は何がしたいんだか……。

「あ~!!もしかして、あの人気女優で売れっ子の乃々華と桃奈じゃない!?」

前に出ると、最前列で見ていた、ファンの女性がそう言ってきた。

ヤバイ!!バレた~!!!

そして、周りが一斉にこちらを見た。

あっちゃ~……

演奏は一時ストップ。

「ももちゃ~ん……どうすんのよ~……」

ももちゃんは、したベロをペロッと出してやってしまったって顔をした。

そして、一番会ってはならない人に声をかけられてしまった。

「おい!何で、お前がいんの!?」

その主は、あたしの彼氏の葵。

きゃ~……大変なことに……

そう思いながら、あたしはめっちゃ焦ってる。

すると、さっき、あたしたちに声をかけてきたあのファンの女性が、

「あの、あなたたちもステージ上がってくださいよ!!STERBOYZと売れっ子女優の二人のコラボを
見てみたいです!」

これは、歌うってこと!?

「あの、歌う………ってことですか?」

ももちゃんが、あたしの思っていたことを読んでいたかのように聞いてくれた。

「違います!!並んでもらうだけでいいんです!写真をパシャッと一枚ダメですか?」