「えっ!?乃々華のノロケ話終わりなの!?
放棄ですか!?」

「放棄というか、ちょっとこんな話してたら思い出したことがあって!」

「それって、葵さん関わってるの?」

「うん……まあ。」

「なになに!?まさかの、ペアの何かが欲しいとか!?」

うっ……ももちゃんって結構見抜くの上手い。

ももちゃんはこういうところに頭の回転が早いと言いますか。

まあ、頭も元々あたしより冴えてるからね。

頭良いんだよね~………ももちゃんは。

「やはり、図星か!!いいね~!!付き合いますけど?で、どこ行きたいっていうか、
服装、どうしようかね〜……芸能人っていう部類にあたしたちは入るんだから、それなりの
格好はした方がいいよね。」

確かに。言われてみれば簡単に出掛けるのは良くないか。

「そうだね。どうしよっか……。あまり怪しすぎる格好良くないしさ、
普通の普段着で良くない?それにちょっとサングラスとか?」

「だね……そうしよっか。葵さんたちが帰ってくる前に買ってこないとだし、急ごうか!」

あたしとももちゃんは普段着を適当に着て、買い物に行った。

ホテルから出て、少し歩くとすぐに都心に出ることができる。

絶対、芸能人とかそこら辺にいるに決まってるよね。


「なんか、都心の近くのホテルに来てから、だいぶ経ったのに、
都心に遊びに来るのは初めてだよね。」

ももちゃんは両腕を上に突き上げてぐーっと伸びをしながら、そう言った。

「そうだよね。初めてかも。あたしさ、この辺良く分からないんだけど、
ももちゃんは分かる?」

「まあ、なんとかって感じ。携帯とかあるんだし地図とかでチェック
しながら行けばいいでしょ!」

なんか、余裕ですって表情で言うももちゃん。

迷子になるかもっていう心配とかないのかね?

でも、ももちゃんは頼れるから信じるけどね。

「そう。なら、ももちゃん頼みました!迷子にはならないようにね!」

「迷子にはなんないって!じゃ、雑貨屋とか行きますか。」

そう言って、ももちゃんは持ってる鞄をガサガサして、携帯を取り出した。

慣れた手つきでカチカチと何かを打っていく。

そこでふと思ったこと。

「ていうかさ、ももちゃんってスマホにするんじゃなかったの?
稼いだら絶対買う~!!とか言ってたのに?」