ずっと大好きな君と。

練習を続けていると、あっという間に開始1時間前になっていた。

「やばくねぇ?もう、1時間前だけど。」
俺がそういうと、雄大は肩に掛けてたギターを下ろし、時計を見た。

「マジか…早いな。よし!んじゃ、衣装に着替えっか。最後、楽器のチェックしとけよ。
衣装係の奴に衣装もらいに行ってくっから待ってて。」
そう言って、雄大はホールから出て行った。

俺はしばらく、ギターの調子を確認した。

数分後、雄大は三人分の衣装を持って戻ってきた。

ドサッ!
何着も衣装が並べられた。
この衣装はどこできるとか、決められててはっきり言って面倒。
まあ、アイドルとかバンドのライブってだいたい、こんなもんなんだろうけど。

軽く雄大から説明を聞き、衣装へと着替える。
それにしても、随分と良くできていてビビる。
サイズにもピッタリあっていて、文句無しの出来。

着替えを済ませ、待合室に向かい、出番を待つ。
近くにあったギターの雑誌。

パラパラとめくっていると、俺らのSTERBOYZ特集がやっていた。

俺らってこんなにも有名だと思うとすごく嬉しく思う。
乃々華も専属のモデルとしても活動しつつ、女優もやってる。
テレビに堂々と出るようになり、日本ではきっと乃々華は世間で有名になっているだろうな。

そんなことを考えながら雑誌を閉じた。
それと同時にスタッフが顔をのぞかせた。

「そろそろ、お時間ですが準備はいいですか?」

来た。本番だ。

「「はい!」」

三人声を合わせて返事をした。

そして、ステージの幕が上がった。

キラキラ輝く照明ライト。
ファンたちの歓声と共に俺らの最終公演が始まった。