ずっと大好きな君と。

Side 乃々華

部屋から食堂に向かおうとした時、携帯がなった。
急いで手に取るととんでもない人からだった。
ディスプレイには"葵”という文字。

[よっ!結構久しぶりだな。色々ごめんな。俺は平気だから心配すんな。
でさ、明日の俺らの最終公演、世界的放送だから絶対、見ろよ。
葵より]
と書いてあった。
連絡があっただけでも嬉しすぎてつい、携帯を床に落としてしまった。
「……んっ、ひっく……あ…おい…!!」
絶対見るから。絶対、絶対。

しばらく泣き崩れたあたしは落ち着きを取り戻して、つい落としてしまった携帯を拾う。
新規メール作成を押して本文を打つまでにどれだけの時間を使っただろう。
[はい!! 絶対、見ますから。 乃々華より]

こんな短い文章なのに、手が震えてしまう。
携帯をそっと机に置いて部屋を出た。
ももちゃんにメールがきたことを知らせると、良かった良かった!とかわいい満面の笑顔で
喜んでくれた。
嬉しすぎて泣いちゃったことは言わないけどね。
明日が待ち遠しくなった。

久々に葵の歌ってる姿が見れる。
これはファンとして、後輩として、そして………。
今でもあたしは、葵が好きだから。
もう、気持ちを押し殺すことはやめた。
もう、どうにでもなればいい。
周りになんて惑わされないよ。

夕食を食べ終え、部屋で寝る準備。
今日はももちゃんと寝ることにした。
一人になっちゃうと、なんか色々な気持ちがこみ上げてきちゃう気がするから。
だから今日は一人になりたくないんだ。


携帯を最後にチェックしたけど、メールは入っていなかった。