「分かった。作ってみるわ。お前らはそれでいいのかよ?」
「「おう。」」

そして、俺が作ることが決まった。
あいつの力になるような曲できっかな?
俺は仕事の合間を見つけては、曲作りをした。
日本には一年後に戻る予定。
日本に戻る前の海外ツアー最終日に披露するらしい。

あまり時間とってられねーな。
あいつと恋人だった時に、感じたことや気づいたことなど思ったことをそのまま書き出し、
並べていく。
それを繰り返してるうちにだんだんと、曲らしくなってくる。

“いつからだろう
君を思う日が増えてきたのは
君の笑顔が笑う顔が好きだった
初めて本気の恋を知って
自分の気持ちに気づいたんだ
泣いて、笑って、君の顔がコロコロ変わる。
そんな君に恋をした

会えなくたって、かまわない。
それでもやっぱり君が好き。
ただ君だけを思っている
頑張れ、頑張る君が大好きだから。叶え、Your Dream”

何となく出てきた言葉。
並べてみるとなかなかの出来で、歌詞がだいたい決まってきた。
後は曲を入れるだけ。

この曲があいつの心に響くことを信じて書き下ろした。
あと、数ヶ月で日本に戻る。
それまでには間に合うはずだ。

ライブ終了後、ホテルに戻って曲の打ち合わせ。
「だいたい、歌詞が決まったんだけどどう?」
そう言って俺は、歌詞を二人とマネージャーの宮本に見せた。
「いいじゃん!きっと、社長さんも受け入れてくれると思うぜ!てことは、
あと、音楽設定するだけ?」
「まあ、そうなるな。音楽は雄大作ってよ。」
「俺でいいならかまわねーよ?」
「じゃあ、頼む。なあ、宮本。これ全部出来上がったら一旦、社長に送るんだろ?」
「そうなりますね。あの、これって乃々華さんのために作ったんですよね?
見せたらマズイんじゃありません?」
「何で?」
「何でって、お前な、こういうのはサプライズとして聴かせるのが普通だろ!」
「そういうことか。じゃあ、社長にはあいつにはくれぐれも言うなって口止めしときゃいいだろ?」
「そうですか。分かりました。僕の方から伝えときます。じゃあ、あとは、雄大さんが
音楽つければ出来上がりですね!頑張ってください。」

音楽をつけるのは雄大に決まり、打ち合わせ終了。
サプライズっていう手もあったんだな。この歌をいざ、歌うとなると、緊張するし恥ずかしいな。


それから数日で雄大は曲をつけてきた。
「出来たんだけど……」
「早くね!?まあ、いいや。とりあえず聴かせて。」
音楽プレーヤーに入った、曲を聞いてみる。
~♫~♫
なかなか、いい出来栄えで驚いた。
「なかなかだね。」
竜也が感心している。
最初、俺に作詞すればと提案してくれたのは竜也だったから、こいつに感謝だな。
「じゃあ、これと詞をレコーディングして社長に渡すだけか。」
「ていうかさ、レコーディングってここで出来んの?」
「なんか、宮本がニューヨークのレコーディングスタジオが借りられるからそこで出来るってさ。
レコーディングを手伝ってくれる人はここの人だけど、大丈夫だって言ってた。」