ずっと大好きな君と。

久しぶりの学校生活がスタートです！
ある朝。
「ののー！早く、学校行こ！」
そう言ってももちゃんがあたしを急かす。
あたしたちは事務所のホテルから車で駅まで送ってもらった。
普通に歩いて行っちゃうと大変なことになるからね。

「じゃあ、気をつけて行ってきてくださいね。帰りは何時頃がいいですか?」
マネージャーがあたしたちを迎えに来てくれるというなんと、贅沢な！
って感じ。桃ちゃんがじゃあ、7時頃でと笑顔で言った。

そう言ってあたしと桃ちゃんは電車に乗り込み、新しくやるドラマについて話していた。
「ねえねえ、新ドラマの恋愛話系のドラマに葵さんでるの知ってた？しかも、あの大女優の
ミナコさんと共演するらしいよ。」
そう。葵は新ドラマに出るんだ。あの女優のミナコさんと。l
あたしはこんなことを思ってしまったんだ。
ミナコさんがずるいってね。あたしは、葵とミナコさんのキスシーンとか絶対あるに決まってる。
だって、恋愛系だもん。あたしは、想像するだけで大きな嫉妬しそう。
決して、ヤキモチじゃないもん。きっと・・・。
ももちゃんの話を聞きながら上の空のあたし。
「・・・の！乃々華！乃々華！どしたの？もう駅に着いたんだけど。ボーッとし過ぎ！」
ももちゃんに声をかけられ我に帰ったあたし。
「ちょっと！あたしがドラマ語ってたの聞いてくれた？ずっと、ボーッとしてるんだもん！」
「あっ、ゴメン。また、学校で話してよ！ね？」
「もー！しょうがないな。芸能オタクのあたしがまた、話してあげようじゃないの！」
ドヤ顔でにんまり笑うももちゃん。
ちょっと抵抗ありすぎかも。まあ、あたしが悪いししょうがないけど、耐えるしかないか。
この抵抗に。
電車を降りて、久々の学校の門へと足を進める。
なんだろう、この気持ち。
重いような、軽いような。
楽しみにしてたわけでもない、かと言って嫌ってわけでもない。
ただ・・・周りからの視線が痛すぎ！
登校時間だからだろうか、周りには同じ制服のあたしたちの同級生ばかりがぞろぞろと門へと向かっていて、なぜか、あたしたちを見ながらひそひそ話。
「あの二人って、例の芸能人女子高校生の桃奈ちゃんと乃々華ちゃんだよな？」
「そうそう！めっちゃ可愛くね？」
「ああ！確かに。」
なんて、男子生徒の声が飛び交う。
「まったく、ほんっとうるさいわね！のの、無視して行こ！」
ちょっときれ気味に言うももちゃん。
ももちゃんは強いね～なんて思ったりもした。

門をくぐり抜け、久しぶりの学校が見えてきた。
昇降口で靴を脱ぎ、がやがやと騒がしい教室にしばしば入る。
「おはよう！久し振りだね！」
桃ちゃんは相変わらず元気いっぱいでみんなに挨拶してる。