「ねえ、乃々華ちゃん。ウチの事務所においでよ。
あんな、へこたれた事務所にいないでさ、こっちおいでよ。葵さんだっけ?
くだらない。ろくな恋愛もできっこないと思うよ?俺にしとけば大きな、
報道なんて出なくて済むし。葵さんだと、周りから大ブーイングだよ??」

ろくな恋愛もできない?
葵さんがくだらない・・?

信じられない!!!!!!

「スターネオンはへこたれじゃない。葵さんはくだらなくなんかない。
でも、あたし嫌われちゃったかな?さっき、怒鳴ったりなんかしちゃったし。
でも!!あたしはそれでも葵さんが好きなの。あんたなんか初めから、
願い下げなのよ!」

あたしは涙が止まらなかった。
葵さんの言うとおりにすればよかった・・・。
どうしよう・・・あたし。最低な後輩だね。

「黙れ!!!!」

そして、沖田さんは強引に自分の唇をあたしの唇に押し付けてきた。
「・・・んっ!い・・嫌!や・・めて・・。」
葵さんの優しいキスとは違い、冷たくて感情のないキス。
こんなのありえない。

すると、ガチャン!

誰かが勢いよく入ってきた。
「おい!乃々華から離れろ!」
この声は、葵さん!?

「あ~あ、また、あなたですか?僕の事務所に乃々華ちゃんを勧誘してただけですよ。」
嘘・・・嘘に決まってる。最低。
あたしは心の中で叫びに叫んだ。

「おい!乃々華、大丈夫か?何かされた?」
「あ・・おいさん!!!」

ギュっ!

あたしは無我夢中に葵さんに抱きついた。
怖かったの・・・怖くて仕方なかったの。

そして、葵さんは沖田さんにこう言い放った。

「てめ~、やっぱ乃々華を狙ってたんだな。いい加減にしろよ。
コイツは俺の女だ。手ぇ出したら許さねー!!」

お・・俺の女?

そう言い放った葵さんはすごくかっこよくて、たくましかった。

あたしを抱きかかえ、沖田さんのホテルを後にした。

そして今は葵さんの部屋。