「あっはははは」
1時間目が始める前の空き時間。りんは散々クラスの皆に笑われていた。勿論、原田先生の声が聞こえていたのだ。
「うるさいなぁ関!笑いすぎ!」
「だって補習っておま!あはは!」
「泣くぞ」
「あはは!泣け泣け!」
とことん酷い奴だな。関の非情さを改めて実感したところで、深いため息をつく。
「それにしても、りん」
「なあに?ゆずちゃん」
「今回ばかりは付き合ってあげられないわ。私、今年の夏はイギリスに行く予定だから」
いやいやと引っ付くりんを冷たくあしらう彼女の名は、山本柚葉。
才色兼備、眉目秀麗、文武両道、我が高校の宝。そしてりんの親友だ。
「ゆずちゃん・・・」
「これを機に自立心を身につけなさい。私にお尻叩かれるんじゃないくて、ね」
「自分から勉強しなさいってこと?」
「そう。いい子ね」
りんの頭をなでなですると、移動教室に行ってしまった。1時間目の数学は基本クラスと応用クラスに分けられている。基本クラスのりんはそのまま教室待機、応用クラスの柚葉は他の教室なのだ。
ちなみにこの学校では英語、国語が同じように2クラスに分けられていて、りんは全て基本クラスだった。
つまり、ばかなのだ。

