リビングのドアを開けるとお味噌汁の匂いがした。 「おはよう、理子。おっ!いよいよかー」 そう声をかけるのは兄、相沢拓海だ。 ちなみに私の唯一の肉親関係を結ぶものである。 そんな兄、拓海は、成績優秀、眉目秀麗、運動神経抜群と素晴らしい才能を持ちかねている。 比べて私は出来の悪い妹だった。 私が今日から通う高校、神凜高等学校に入学するのにもたくさんの人に迷惑をかけた。 何故ここに入ろうと思ったかだなんてとても単純。 家から歩いて3分、走って1分半の位置にあるからだった。