ヤバイ、これはヤバイ。
 なんだっけこういう状況を表す言葉。国語は得意なのに。
 絶体絶命?いや、もっと的確な・・・。
 『自業自得』
 とっさに思いついたが、これ以上にピッタリはまる言葉はないだろう。
 
 これは、拓真と哲也との関係のどっちも捨て切れなくて、2人を騙したアタシに対する罰なのだろう。
 拓真には、拓真はもう死んでいるのだという真実を隠し、アタシに新しい彼氏ができたことも告げない。哲也には、拓真のことを隠し、今でも拓真と仲良くしてることも黙っていた。

誤解を解かなきゃ。いや、これは誤解じゃない。ただ2人に本当のことを言うだけだ。それなのに、アタシの口はカラカラに乾き、言葉が出ない。

でも真実を伝えなきゃ、この状況は変えられない。

アタシは大きく深呼吸をした。