結婚できるの?

「私も飲み物、買ってくるね」


亜里沙はバッグを椅子に置き、財布だけ持ってカウンターの方へ行った。

注文する列に並んだ亜里沙は、陽太の沈んだ顔を見て不安になる。

これから陽太は何を話すつもりなんだろう……。

「話がある」と言って誘ったのは、陽太の方だ。

亜里沙が陽太と二人だけで会うのは約一ヶ月ぶり。

罪悪感と会える喜び……

その二つの間で揺れながら、それでもやっぱり会えることが嬉しくて、亜里沙は来たのだけれど……。


「次のお客様、どうぞー!」


考え事に夢中でぼんやりしていた亜里沙は、店員に声をかけられ、慌てて前に進みコーラを注文した。