結婚できるの?

智和はわずかに苦渋の表情を浮かべた。


「そうよね……。智和さんの気持ちも考えずに、ごめんなさい」

「いいんだよ。大事なことだから、気持ちが固まってないのに焦ってもダメだし」


包容力のある言葉だが、亜里沙は不安も感じて口にする。


「1年も待たせたら、私のこと冷めちゃうかな……」


上目使いで智和を見つめる亜里沙。

可愛く見えると自分でも自信のある表情だ。

プロポーズを断りながらも、亜里沙は智和に媚びていた。