結婚できるの?

毅の表情が、“あっ”と思い出したように変わる。

その表情を見た亜里沙は、あのときのキスが錯覚ではなかったと確信した。


「ごめん」


毅は素直に認めて謝った。


「あのときは俺が酔ってて……。亜里沙ちゃんが可愛くて、つい」

「つい? 軽い気持ちで?」

「軽い気持ちじゃない。あのときだって、もう好きになってたんだ」


亜里沙は本音を探るように、毅の目をじっと見つめていた。