結婚できるの?

「ダンスのキャリアは?」


亜里沙の問いに美佐はブンブン首を振る。


「キャリアなんて全然! ただ好きなだけの素人です」

「じゃあ、どうしてインストラクターになれたの?」


亜里沙は平静を装うため、サラダを口に入れた。

美佐は話すのをためらうようにビールを飲む。

どうしても事実を知りたい亜里沙は、穏やかな口調で訊ねた。


「美佐ちゃんがダンスの担当になったのは、誰が決めたの?」