結婚できるの?

千香は無言で頷き、二人は駅の方へと歩き始めた。

頷いたとき、千香の心は真っ白で。

現実的なことは、頭からすっぽりと抜けていたのだ。

歩き出して少し経つと、千香の脳裏には、お泊りセットや着替のことが頭に浮かぶ。

だが、そんなことを口に出来る雰囲気ではなかった。

駐車場に着き、智和に助手席のドアを開けられ、千香はそのまま車に乗り込んだ。


「家に着いたら、ゆっくりワインでも飲もう」

「はい」


さっきのレストランでは、二人ともお酒を飲んでいない。

千香は早く酔ってしまいたいと思っていた。