結婚できるの?

バーで座っているときは気づかなかったが、千香は自分が酔っているのを感じた。

全身がポカポカして、特に頬が熱い。

少しだけど足元がふらつく。

エレベーターが高層階から一階まで降りる勢いで、さらに酔いが回った気がした。

その酔いは気分が悪くなるものではなく、むしろ逆に弾むような心地良さだ。

エレベーターを出てホテルの出口に向かって歩きながら、千香は独り言のように呟く。


「ふふっ、なんか楽しい。酔っちゃったみたい」


千香の呟きは、智和の耳にしっかり届いた。


「酔ってるなら、やっぱり送るよ」