結婚できるの?

千香の言葉に他意はなく、ただ雪の夜景に見惚れてのものだった。

だが智和は誤解し、焦り気味の上擦った声を出す。


「う、うん……。でもやっぱり今日は早く帰った方がいい。引っ越しも近いし、風邪でもひいたら大変だ」


智和は言ったあと、残っていたバーボンを飲み干した。

千香は智和の言い分に納得しつつ、一抹の淋しさを感じる。

淋しさを感じたのは、智和が直接の原因ではない。

つい、陽太を思い出してしまったのだ。

もし陽太だったら、先のことや体調なんて心配せず、この雪景色にはしゃいだだろう。

無邪気な子供みたいに、きっと歓声を上げて……。