亜里沙は千香と話しながら、二年前の当時を思い出していた。

夢に向かってがむしゃらに突き進んでいた10代、20代前半が過ぎ去った25才。

同志だと思っていた千香は、オーディションもスクールも夜の仕事も、とっくに辞めていた。

それでもしばらくは一人で頑張ったけれど、亜里沙も限界だった。

自分には才能がないのだと悟り、頑張る気力は25才でプッツリと切れた。

気力が切れてからの変わり身は、亜里沙も早かった。

所属していたプロダクションとキャバクラを辞め、スポーツジムのインストラクターになった。

元々ダンスに限らず運動は好きだったし、筋トレや水泳も得意だったから。