結婚できるの?

そんな恋人を手放して、本当に良かったのだろうか。


「フォローなんかじゃないわ。私の本心よ」

「もう本当にいいから。亜里沙の話は全部終わった? 言い残したことはない?」


首を縦に振る亜里沙。

何か言い残したことがあるような気もするが、今は出てこなかった。


「じゃあ送るよ」

「送るって、どこまで?」

「亜里沙のマンションだよ。もう電車はないし」

「そんなの悪いわ。一人で帰れるから大丈夫」