結婚できるの?

「でも今は僕と別れたいんだよね?」


亜里沙は無言でゆっくりと頷いた。


「分かった。亜里沙の気持ちは分かったよ」

「ごめんなさい。本当に」

「謝らなくていい。僕じゃダメだった、僕に魅力がなかった、ってことだから」

「ううん、智和さんは魅力的な人だった! だから付き合ったんだもの! プロポーズだって本当に迷ったし……」


亜里沙の言葉は嘘じゃなかった。

自分に都合の良いズルイ言い方だけど、それでも嘘ではないのだ。