結婚できるの?

千香が来たのは6時10分前だった。

どの席に座ろうか少し迷ったあと、陽太ではなく亜里沙の隣に座った。


「仕事が終わって真っ直ぐ来てくれたんだよね? お腹は空いてない?」


気を遣って千香に訊ねる陽太。


「今は空いてないわ。平気よ」


ウエイトレスが側に来たので、千香はコーヒーを頼む。


「来てくれて、ありがとう。俺も亜里沙も、千香に聞きたいことがあったから……」


千香と亜里沙の二人を前にして、陽太の緊張感はピークに達していた。