結婚できるの?

「ごめん。もう亜里沙とは……。千香の友達だし、そういう気にはなれない」


陽太の返事は亜里沙にとって絶望的なものだった。


「千香の友達じゃなかったら、可能性はあったの?」


その質問には答えない陽太。

亜里沙に向かって「ごめん」ばかりを繰り返す。

二つのチーズケーキは場違いみたいに全く手を付けられない。


「もし奈緒ちゃんだったら付き合うの?」

「奈緒ちゃん?」


誰のことだかピンとこなかった陽太は、怪訝な顔で聞き返した。