結婚できるの?

先に涙を滲ませたのは亜里沙。


「ファミレスに行ったり、奈緒ちゃんと話したのも、陽太が好きだったから。陽太のことが気になって仕方なかったの」

「私から陽太を奪うつもりだったの?」

「奪うとか、そこまで考える余裕もなかったわ。奪えるとも思ってなかったし。ただ陽太が好きで、その気持ちが抑えられなくて」


亜里沙の目を潤ませていた涙が頬に流れる。


「だったら、なぜ智和さんと付き合ったの?」

「淋しくてたまらなかったの。どんなに陽太を好きでも、私のものにはならなかったから」


亜里沙は指先で頬の涙を拭いながら答えた。