結婚できるの?

「一体どういうつもり? 何が目的なの?」


室内に入った途端、亜里沙は口を尖らせて叫んだ。


「目的? さっき言った通り、智和さんに相談したかったのよ」

「どうして智和さんなの? 千香と智和さんは一度しか会ってないのよ! それも、かなり前でしょ? それなのに相談なんて、おかしいじゃない!」


興奮している亜里沙を見て、千香は冷淡に言う。


「そう思ったなら、智和さんのいる前で言えば良かったじゃない? 智和さんが帰った途端、態度が変わるのね」


千香に痛いところを突かれ、亜里沙はぐうの音も出なかった。


「ねぇ、亜里沙……。今の私がどんなに辛いか分かる? 陽太は私の恋人で、亜里沙は親友だと思ってた。ずっとそう信じてた……。なのに二人に裏切られた、私の気持ちが分かる?」