「分かりました。誰にも言いませんから安心して下さい」


千香は安堵してお礼を言い、明日の夕方6時に会う約束をして電話を切った。

電話を終えた千香は、亜里沙と顔を合わせることも覚悟して家路に向かう。

どんなに亜里沙を避けたくても、同居している以上、いつまでも逃げられるわけじゃない。

千香は腹を括って帰宅したが、亜里沙は家にいなかった。

肩透かしを食った気持ちと、ホッとした気持ちが半々。

キッチンテーブルの上に、一枚の便箋が置いてあった。

亜里沙からの置手紙だった。