結婚できるの?

「待って!」


電話しようとした千香に、亜里沙がストップをかける。


「千香、落ち着いて。こんな夜中に電話していいの?」


亜里沙に言われて携帯画面で時刻を見ると、深夜0時半。

千香は一瞬だけ躊躇するが、昂ぶっていた感情は止まらなかった。


「とにかく、かけてみる!」


千香は陽太の番号を押す。

亜里沙に言われっぱなしのまま、おとなしく引っ込む気にはなれなかったのだ。