結婚できるの?

「……陽太なの」


必死で絞り出したような低い声が、千香の耳に届いた。


「えっ?!」


千香は今夜、二度目の絶句。


「陽太って、陽太って……どういうこと? 何で陽太なの?」


千香はしどろもどろで陽太の名前ばかり繰り返していた。

亜里沙は顔を上げ、とうとう核心的な言葉を口にする。


「私、陽太が好きなのよ」


千香は愕然とした表情のまま固まっていた。