結婚できるの?

そのときの二人は、ただただ舞い上がっていた。

ライブの熱狂と打ち上げでの酔いも合わさり、それ以外のことは頭から飛んでしまって。


「亜里沙とだったら、俺は俺らしく生きていけるんだよなぁ」

「陽太……。私は今の陽太が好きだよ。陽太のライブ、めちゃめちゃカッコ良かった!」

「ほんと?」

「ほんとだよ! ステージの陽太は最高! 私は夢を諦めちゃったけど、陽太には好きなことを続けて欲しい」

「そう言ってもらえるとマジで嬉しい……」


陽太は握っていた亜里沙の手に力を込めた。