「やっぱり（笑）じゃあ教えてあげる。」

そういうと千尋は私の手を取りそれを私の胸元へと移動させた。

「恋ってね、ここらへんが切なくなって締め付けられる感じ。それと甘酸っぱいトキメキ。それが恋いだよ。」

確かにそうかもしれない。あの二人をみると切なくなる。

「なんでそんなこと知ってるの？」

「お姉ちゃんが教えてくれた。」

そう言ってる千尋の顔はどこか寂しいような気がした。

「ふぅん。・・・あっ！やばいよ、千尋！集合始まる！」

「うわっ。ホントだ。急げー！」

そういうと千尋は走り出した！さっきの表情が嘘みたいだ。

今日はパートごとに分かれて練習。2階なので運動場からの声が良く聞こえる。

「今日の課題は3年生と2年生は一緒に曲の練習。悪いけど1年生は基礎練習した
　あとは楽譜の譜読みをしておいてください。」

「「「はい。」」」

（基礎練習だるいなぁ。）

そんなことを思っていたら、後ろの窓の方からボールが飛んできた。

（窓を開けていたから入ってきたんだ。）

「私が返してくるね。」

そう言うと私はボールを拾い上げサッカー部の方へポイッと投げた。その時中村と篠原の姿が見えた。


下校時間になり、今日は中村とは一緒にいなかった。

（珍しいな～。まぁまだ練習してたみたいだからなぁ。）


　今日の夜ご飯はスパゲティ。最近カロリーが高い物が多い。昨日はハンバーグ、一昨日は・・・。長くなるからやめよう。

ご飯を食べ終えて自分の部屋に戻る。ドアを閉めたと同時に電話が鳴った。

ーーチャリラリラン　チャリラリラン

「はい？」

《あ、西田だよな。俺中村だけど・・・。》

その電話の相手はまさかまさかのあいつだった。