私は吹奏楽部に入った。朱梨は美術部。
楽器はクラリネット。

「全然音ならないし。」

私は大きなため息をついた。

音楽室を出て靴を履く。

グラウンドを見ると、篠原の姿があった。

「ふぅん。結構サッカーうまいじゃん。」

私は休み時間ギリギリまで篠原の姿を見ていた。

「起こられた・・・。」

最悪。ちゃんと5分前に戻るんだった・・・。

私はウォータークーラーへと向かって歩いていた。

(あ、まだ練習してる。)

グラウンドをみたらサッカー部がまだ練習していた。 

「体力みんな大丈夫なのかな?みんな泥だらけじゃん。」

私は気にしつつも学校を出た。

帰り道の途中にある男子に声をかけられた。

私が振り向くと知らない男子が立っていた。

「お前、西田だよな?俺同じクラスの中村。」

その男子は中村と言うらしい。

「はぁ・・・。何か用?」

「一緒に帰らないか?」

「別にいいけど。」

私はしぶしぶOKした。一人で帰るのもイヤだし。

帰りいろいろ聞かれたけど、あまり答える気にはならなかった。
でも初めてだ。男子と帰るなんて。
小学校の頃は私は男子にも女子にも人気があったみたいだけどそこまで仲良くなかった。
だから私には恋なんて無縁だった。