理先輩の部屋で、話を始めた。

私が部屋に来た時に使う為に買ったというガラス製の紅茶茶碗に、紅茶を入れてくれた。

私は、人にモミクチャにされて怖くて、思わず理先輩の胸に飛び込んでしまったけれど、理先輩に特別な気持ちがあるわけじゃないと言った。

すると、理先輩は「モミクチャにされてる時、誰の事を呼んでたの? 僕じゃないの? 僕だったから、僕の顔を見て、安心して、胸に飛び込んで来たんでしょ?」と言う。

「違う。たまたま、一緒に来たから。」と言うと「一緒に来れば、誰にでも同じことするの?」と理先輩は言う。

「そうじゃない。」と言うと。
「それなら、誰を呼んでたの? 教えてよ。」と理先輩は言う。

私は、言えなくなってしまった。
「言えないの?」と理先輩は言う。

「僕だったから、動揺して言えないんだ。」と理先輩は言った。

「そんなことない。」と言おうとしたけれど、理先輩が「顔を見てればわかる。言わなくてもいいよ。」と言った。

1言も理先輩だったなんて言ってないのに、こんな風に肯定されてしまった。
しかも、悔しいことに、間違ってないない。


理先輩は、「きみを諦められないと言ったけど、フラレルことを覚悟してた。でも、今日のことで、その考えは捨てる。」

「本気で、きみを奪うよ。」