どのくらい、そうしていただろう。
やがてキスを終えたわたし達は、恥ずかしそうに離れた。
甘く気恥ずかしい沈黙がおちる。
それを破ったのは、グレイだった。


「あ、あの」
「はっ、はいっ!?」
「まだ……時間もありますし、庭へ行きますか?」
「えっ、あ……そ、そうね!行きましょうか!」

なんだか声が裏返りそうだ。

「は、はやく行きましょう!おなかすいてきちゃった」

火照る頬のまま、ぱたぱたと二人で廊下を走った。




庭は相変わらず綺麗で、わたし達二人以外は誰もいない。
いつものようにランチボックスを開け、少し遅い昼食にする。
始めはぎこちなかった会話も、だんだんいつもの調子が戻ってきた。
けれど、グレイの表情がほんの少しだけど豊かになっていた。
幸せな気分で過ごし、サンドイッチが尽きてきたころ。

「……あっ」
少し離れたところにあるものを見つけ、わたしは笑顔で駆け寄った。