その毒は蜜より甘く



「えっ、ええっ、えっと、グレイ?」

戸惑いながら目を白黒させる。
どういうことだろう。何?


と、グレイは不思議そうに首を傾げた。

「……だるくて、腕が上がらないんでしょう?」

……なるほど。わたしは納得する。
なかなか食べようとしないわたしを見て、グレイは、わたしが体が辛くて腕を使えないんだと思ったらしい。
そこで、世話係たるもの、わたしが困っているときは助けてあげなければと、そういう気持ちで……。

……納得した。

納得したんだから……グレイはわたしのことを想って、執事としてこうしてくれてるだけなんだから……わたしの頬の熱も、冷めて欲しい。

けれど、ここまでさせて食べなくては、逆に失礼だろう。

私は真っ赤になる顔をあえて無視しながら、

「……い、いただき、ます」

か細い声で言って、小さく唇を開けた。