「私のせいに、してください」
「……え?」
グレイは、ゆっくりと続けた。
「あなたは悪くありません。だから、全部私のせいにして、あなたは泣いてください」
……ばれて、たんだ。
わたしが、本当は泣きたくて仕方ないこと。あっさり吸血鬼に血を吸われてしまったしを、汚く感じていること。……そして、もういいやと、投げやりになって、人形のように生きていこうかと思ったこと。
――泣いてください。
その一言は、わたしの胸にじんわりと落ちて広がった。
心が震え、目に涙が溜まるのを、必死に抑えようとした。
けれど、それを後押しするように、グレイは、おずおずと迷うように、ゆっくりと……わたしの背に手を回し、抱きしめた。
「……痛かったでしょう?」
その言葉に、暖かさが滲んでいるのがわかった瞬間、瞳から静かに涙がこぼれた。
グレイにしがみつきながら涙を流しつづけた。
痛かった。とても痛かった。
無理やりつけられた傷口が、体が、そして心が、とてもとても痛かった。
そう、しゃくりあげながら繰り返すわたしを、グレイはずっと抱きしめてくれていた。

