「はあ…」 もうすぐで、冬なんだ…。 白い吐息が下を向きながら歩く私を包み込み、ふと思う。 私はもう関係ないことなのに。 楽しいことが待っているわけじゃないのに目的地までの足取りは軽くて。 だけど、重くて。 顔を上げれば、目的地は見えていた。 もう使われていないだろうと思わせる橋が、薄汚い川の上に架かってて。 なのに周りには、青々と生い茂る草花が風で揺らいでいた。 あぁ、この橋は私と一緒なんだ。