【Side 亜門】
人間界へ降り立った翌日―――。
俺は“勤務している予定”の病院へ足を向けた。
「「「おはようございます」」」
すれ違う人間どもから声を掛けられる。
面倒くせぇ――。
こんなにウジャウジャいたら、挨拶もキリがねぇ。
俺は軽く挨拶しながら小児科へと向かった。
さて、あの女はどんな反応を見せるか…楽しみだ。
小児科と書かれた部屋へ入ると…。
「木戸先生!!どうされました?」
「キャァ―――!!亜門先生~」
「ウソ――!?何で亜門先生が~?」
人間の女が何処からともなく溢れて来た。
おいおいっ、一体何人いるんだ?
俺はその中でも1番年配そうな女に、
「羽生って子はどいつだ?」
「えっ?羽生さんですか?」
「……」
俺は無言で頷く。



