「詳しい事はワシにも分からん。ワシの憶測でしかないが、そなたの妃は何千年かに1人と言われている聖女だ」
「……………」
「それほどまでに力を持った聖女を妃に…と思ったのではないか…?」
「しかし、所詮“聖女”。天界に住めても魔界には住めますまい」
「それが……」
「違うのですか?」
神界王は言葉を濁し…
私は目を見開き、詰め寄る。
「本来ならば、そうなのだが……」
「ハッキリとおっしゃって下さい」
神界王はフゥ~と深く息を吐いて、口を開いた。
「実は神儀(儀式)に使う魔神杯(悪魔が妃を迎える際に使う盃)が無くなった。恐らく、アーモンが持ち出し…人間界へ降りたのであろう」
「魔神杯!?」
私は思わず立ち上がった。



