「せっ、先生みたいなカッコイイ人が私みたいな子に…。そんなこと言われたこと無いもの…」
「へぇ~」
「それに……」
「それに?」
「先生なら幾らでも素敵な人がいるでしょうに…」
「“彼女”ってのが嫌なの?」
「えっ!?」
俺はカップをテーブルに置き、首を傾げながら彼女に尋ねる。
「“彼女”じゃなくて、“恋人”ならいいの?」
「同じです!!」
「フフッ。じゃあ、俺と結婚する?」
「はぁ?な、な、な、なっ何でそうなるんですか!?」
「だって、“彼女”っていう中途半端が嫌なんだろ?」
「そういう問題じゃないんです!」
「じゃあ、何?なんで俺と結婚したくないの?」
「はぁ?先生、言ってる意味が全然分かりません!」
「分からないの?結婚したいって思うくらい好きなんだけど…」
「はぁぁぁぁあ!?」
「直ぐに結婚は嫌だろうから、とりあえずは“彼女”ってことで…」
「ちょっ、ちょっと先生いいですか?」
彼女が俺の方に向きを変えて来た。



