【Side 零士】
駐車場で彼女が来るのを待っていると、
可愛らしい私服姿で彼女がやって来た。
俺は彼女を乗せ…病院を後にした。
―――――そう。
医局で彼女と会話した際に、手を叩いて…
車やら自宅マンションやら…身の周りの物を揃えておいた。
その都度天力を使うのも面倒だし…
だから、俺はかなり強く叩いたってワケ。
彼女は少し驚いてたけどね?
まっ……これで、暫くは何とかなるでしょ。
俺は彼女に“何が食べたい”か尋ねると、
“何でもいい”と言う。
なのでこれは“チャンス”だと思い…
自宅マンションへと連れ帰る事にした。
彼女はかなり驚き、動揺している。
その後はずっと黙ったままで。
時折彼女に視線を移すと、
大きな瞳をウルウルさせて俺を見る。
膝の上にはギュッと握られた手が…。



