奴はその場に崩れ落ちた。
俺は動揺している彼女を抱きしめ、
「莉胡……無事か!?」
俺は彼女の顔を見て、心から安堵する。
フゥ~これでやっと終わる。
彼女は俺の腕の中で“どうやって?”と訊ねる。
人間の彼女に術の事を説明してもムリだろう。
俺は軽く受け流して、
彼女の顔を見つめた……時だった。
「んッ!!う゛ぅっ……ぅッ…」
背中から脇腹にかけて、鋭い痛みが…。
次の瞬間―――――。
全身の力が抜けるように、
………膝から崩れ落ちた。
視界の片隅に俺へ剣を突き刺してる奴の姿が。
奴はくたばっていなかったのか?
「えっ!?ッ!!キャァァア!!」
彼女が大声をあげて、手を差し伸べて来た。
目に零れんばかりの涙を浮かべて。
奴はその場に倒れ込んだ。



