俺はダミーのみぞおちを力の限り蹴り上げ、
入口の扉付近まで蹴り飛ばした。
そして、ダミーが大勢を立て直す前に…
剣を両手で構え、
目を閉じ、深呼吸。
『我に宿いし聖なる力
全てのモノを遮る闇を
聖なる光で薙ぎ払え!!』
俺は幻影の闇を払う呪文を唱えた。
すると、蹴り飛ばしたダミーは
うっすらと消え始め…
莉胡が言うように、書棚脇に…
彼女と彼女を抱きかかえる奴が。
2人とも俺に背を向ける形で、
今にも壁の向こうへ行こうとしている。
そうはさせるか!!
「レ…イシールド様ッ!!」
彼女が必死に抵抗しながら俺の名を。
俺は無理やり魔界へ連れ去ろうとする奴の背中に、
力の限り天聖剣を突き刺した。



