すると、木戸先生が彼めがけて剣を振り下ろした。
キャッ!!危ない!!
私は思わず両手で顔を覆う。
再び、剣と剣がぶつかる音。
衣擦れの音…更に2人の息遣い。
そして……彼の苦しそうな呻く声。
恐る恐る指の間から覗くと、
彼の太腿から血が……。
えっ!?木戸先生にやられたの?
大丈夫かしら……?
彼に視線を向けていると、
『莉胡……聞こえるか!?』
『あっ……はい』
急に心の中に彼の声が。
『俺が奴を惹き付けてる間に、ここから出るんだ!!いいな?』
『えっ?……はいっ!』
“はい”と返事をしたものの…。
ここから自力で抜け出せる?
物凄い勢いで闘っている間を抜けて…。



