部屋の中に足を踏み入れると、
想像を絶する痛みが身体を襲う。
う゛ぅっ……ッぅ……。
俺の唸り声を聞いてか、莉胡が微かに動いた。
ダメだ!!頼む…じっとしててくれ。
『開けるな!いいから閉じてろ!何があっても絶対開けるんじゃねぇぞ!……いいな!?』
俺は少し脅すように強い口調で。
苦痛に歪む姿を彼女には見せられない。
「おいっ、レイシー。そんな身体で俺と闘う気か?」
「フッ…そう言ってられるのも今だけだ」
「じゃあ、かかって来いよ!!」
「言われなくてもそうするさっ!!」
奴がベッドから立ち上がり、俺を挑発して来る。
頼む……もってくれ……。
俺は天聖剣を胸前で構え、目を閉じ、呼吸を整える。
「消えろ!!アーモン!!」
己にもたらされる全ての天力で…
奴めがけて剣先を突き立てた。
奴は笑みを浮かべながら、
軽やかに俺の剣を避ける。



