木戸先生は私の上から退いて、ベッド脇に腰かけた。
「ほぉ~、よく入って来れたな」
「フンッ。お前ごときの結界にやられる俺じゃない」
「ほざいてられるのも今のうちだ」
「フッ、面白い」
『莉胡……目を閉じてろ』
『えっ!?』
『いいから、目を瞑ってろ。いいな?』
『………はい』
私は周防先生の呼び掛けに答えるように、
………心の中で呟いた。
そして………彼の指示通り、目を閉じた。
すると、僅かに唸り声が聞こえて来る。
何!?……どうなってるの?
周防先生が心配になり、目を開けようとした瞬間!!
『開けるな!いいから閉じてろ!何があっても絶対開けるんじゃねぇぞ!……いいな!?』
『…………はい』
初めて聞く…彼の強い口調に驚いて、
“はい”と答えるしか出来なかった。
“何で!?”“大丈夫ですか?”と、
聞きたい気持ちを押し殺して……。



