先生は入口で立ち尽くして…胸を押さえてる。
もしかして…結界のせい?
私は目を見開いて彼の姿を……。
周防先生は昨日の姿より一段と凛々しい容姿で。
髪は黄金のように輝き、艶めいて。
全身から放たれるオーラは神々しく、
全てのモノを蕩けさせるほどの恍惚。
あれが……彼の真の姿なんだわ。
ベッドに横たわる状態で必死で見つめる。
すると、何処からともなく聞こえてくる声。
『莉胡!…莉胡!?……莉胡…』
えっ!?……この声って……。
『俺の声が分かるか!?』
あっ……まただ……。
私は彼に向けてコクリと頷く。
すると、ほんの一瞬先生が笑みを零した。
『すまない……遅くなって』
私はブンブンと力の限り顔を振る。
『今、助けるからもう少しだけ辛抱してくれ…』
周防先生は苦しそうに…。
私はこの場に来てくれただけでも嬉しいのに…。
だから……もう…これ以上……。



