「それから、何かあったら心の中で俺の名を…」
「え?」
「“レイシールド”と唱えてくれ。いいな?」
「…………はい」
彼女はワケが分からないといった感じだが、俺は確信していた。
俺が心の中で“莉胡”と呼ぶと、
声を出していないのに彼女は振り向き、
俺を見つめてくれた。
だから、きっと…彼女が心の中で、
俺を呼べば、何かしら俺にも反応があるハズだと。
彼女が“白衣”を身に纏い、
俺はいつでも“聖神剣”を使えるように。
これが今、俺らに出来る唯一のこと。
神界王様が言う通り、
本当にこの白衣の色が変わるのだろうか?
もしかしたら、俺に想いを寄せる日が来なければ
一生、色が変わらないという事も考えられる。
はぁ。先が思いやられるな…。
俺らは勤務先の病院へと向かった。



