“好きになって…心から想えば…”って。
まるで無理やりそうさせてるみたいだな。
こんな事で心から愛せるようになるんだろうか?
はぁ……。
女1人口説けないとは…情けない。
アイツはどんな手でも使うというのに。
俺は天使なだけあって、姑息な手は使えない。
一体、どうしたらいいんだ?
明日にも……アイツが……
莉胡に魔の手を伸ばして来るというのに。
神界王様、俺はどうしたら良いのですか?
莉胡が不安そうに俺の顔を覗き込んで。
「とりあえず、アイツの傍には行くな」
「彼から近づいて来たら?」
「出来るだけ逃げて……俺の傍に」
「先生の傍にいたら大丈夫なんですか?」
「あぁ。………奴の元へ行けば……」
「行けば?」
「俺も君も最後だ」
「……………はい」
彼女は小さく呟いた。
俺は小刻みに震える彼女を優しく抱きしめた。