「リハビリ棟で……」
「……えぇっ!?あ、あれは…夢じゃ…」
「夢じゃない」
「………」
莉胡は驚き、口をポカンと開けたまま。
「俺は天使で、君は聖女なんだ」
「………ご、ごめんなさい。分からない…」
莉胡は額に手を当て…考え込む。
ムリは無い。
人間の莉胡にとって、天使や悪魔など所詮架空の存在に過ぎない。
それが目の前に現れ、“俺が天使だ”などと口にした所で、
寝ぼけているのか、頭のネジがぶっ飛んでるのか…。
そうとしか思えないだろうな。
さて、どうしたものか……。
さっきみたいに変身するか?
手品だと思われるか?
じゃあ、何か…ここに無い物を出すか?
あまりのショックにまた気を失ったりしないだろうか?
どうしたらいいんだ?
俺は眉をひそめて……。



