【Side 零士】
俺は莉胡を自宅マンションへ連れ帰った。
彼女は気を失っている。
俺はそっとベッドに寝かせ、天力で彼女の身体へ生命体エネルギーを送り込む。
恐らく、俺の怪我を治すのに聖力を使い果たしたのだろう。
お陰で俺はこの通り……全快したが…。
すまない……莉胡……俺の為に…。
俺は前髪をそっと横に流して…
おでこに軽いキスを落とす。
アイツに指1本でも触れられないように
魔除けの……天印を。
!!!!!
俺は莉胡を起こさないように…
そっとベッドから離れ、大鏡の前に跪く。
『レイシールドよ、聞こえるか?』
「はい、神界王様」
『身体は大事ないか?』
「はい。彼女のお陰で何ともありません」
『罠だと分かっていて、何故…結界の中に入った?』
「それは……」
全てお見通しの神界王様に言い訳は通用しない。



